×

設計書とは?基本設計書・詳細設計書の書き方、現場で使えるテンプレート構成を徹底解説!【保存版】

システム開発において、「設計書」はただのドキュメントではなく、開発チーム全体をつなぐ“共通言語”として非常に重要な役割を果たします。要件を満たしたシステムを効率よく、かつ高品質に構築するためには、基本設計書と詳細設計書を正しく作成・活用することが不可欠です。しかし、現場では「どこまで書けばいいのか」「何を含めるべきか」に悩む声も少なくありません。本記事では、設計書の基本構成から具体的な書き方、各項目のポイントまでわかりやすく解説していきます。

 2025年07月28日

システム開発において、「設計書」はただのドキュメントではなく、開発チーム全体をつなぐ“共通言語”として非常に重要な役割を果たします。要件を満たしたシステムを効率よく、かつ高品質に構築するためには、基本設計書と詳細設計書を正しく作成・活用することが不可欠です。しかし、現場では「どこまで書けばいいのか」「何を含めるべきか」に悩む声も少なくありません。本記事では、設計書の基本構成から具体的な書き方、各項目のポイントまでわかりやすく解説していきます。

1. 設計書とは

システム開発における「設計書」とは、システムをどのように作るかを定義した設計情報の集合体です。開発者はもちろん、プロジェクトマネージャーやテスター、顧客との認識を合わせるためにも欠かせない資料です。

 

設計書には「基本設計書」と「詳細設計書」がある



両方の設計書をしっかり作ることで、仕様漏れや認識齟齬による手戻りを防ぎ、開発効率を大きく高めることができます。

 

2. 基本設計書の書き方

基本設計書は、顧客と開発チームの橋渡しをする重要なドキュメントです。ユーザー視点に立ち、ビジネスの流れや画面の使いやすさなどを重視して書く必要があります。

 

基本設計書の7つの項目

機能一覧

要件定義で挙げた業務上のニーズをベースに、システムが提供すべき機能を一覧化します

例:ログイン、商品検索、購入処理、レポート出力など。

・補足: 機能に優先度をつけることで、リリースのスケジューリングや段階開発がしやすくなります。

 

業務フロー図・システム構成図

・業務フロー図:顧客の業務プロセスを視覚化(BPMNなど)

・システム構成図:どのサーバーで何が動くか(API、DB、外部連携など)

補足:ステークホルダーにとって「全体像」が把握できるため、誤解が生まれにくくなります。

 

画面設計図

ワイヤーフレーム、プロトタイプ(Figma等)で、UIの構成、操作性、画面遷移を設計。

ポイント:

・入力必須項目、制限文字数、入力チェック仕様を明示

・モバイル対応ならレスポンシブ設計にも配慮

帳票設計図

帳票の名称、項目、並び順、印刷サイズ、出力形式(PDF, Excel)などを明確化します。

・活用例:会計、在庫、発注履歴など、業務系システムには必須。

 

バッチ設計図

定期的に実行されるバックグラウンド処理の設計。夜間集計やデータ転送などが該当します。

記述項目

・処理名・目的

・入力データ・出力データ

・実行時間・スケジューラー設定

・エラーハンドリング方式

データベース設計図

ER図(Entity Relationship Diagram)やテーブル定義書で、データ構造を視覚化。

 

注意点: データの整合性・正規化・インデックス設計も意識しましょう。

 

外部インターフェース設計図

APIや外部システム連携の仕様定義。JSON/XML形式、認証方式、タイムアウト設定などを明記。

 

基本設計書の書き方のポイント

・第三者が見ても理解できること(図解・注釈の活用)

・顧客・業務側との認識を一致させること

・変更履歴や未確定項目を明記すること

 

3. 詳細設計書の書き方

詳細設計書は、プログラマーが仕様通りにコーディングできるレベルまで落とし込んだドキュメントです。正確さ・具体性が重要です。

 

詳細設計書の4つの項目

クラス図

クラス、属性(フィールド)、メソッド、アクセス修飾子、継承関係などをUMLで設計。

→ オブジェクト指向開発(Java, C#等)では特に重要。

 

モジュール構成図

アプリケーションを構成する各モジュール(機能単位)を明確にし、責務を分離して設計します。モジュール間の依存関係も視覚化しておくと、保守性・再利用性が高まります。

 

アクティビティ図

条件分岐、ループ、ユーザーの操作に応じた処理フローを図解。フローチャートに近い。

・目的:開発者やレビュー担当が「どんな順序で処理されるか」を把握しやすくなる。

 

シーケンス図

各オブジェクト間のやり取りを「時系列」で表現。メソッド呼び出しや応答などの流れを明示。

 

詳細設計書の書き方のポイント

・命名ルール、ディレクトリ構成、バージョン管理の指針も記述

・エラーパターンも含めて設計し、「例外に強い」システムへ

・図と文章のバランスを意識し、誰でも読みやすくする

 

設計書は、プロジェクト成功のための「設計図」であり、品質・スピード・チーム連携の土台となる存在です。基本設計書でユーザー視点の全体像を描き、詳細設計書で開発者視点の具体的な構築方針を示すことで、仕様漏れや手戻りを防ぐことができます。しっかりと設計フェーズに時間をかけることで、結果的に開発全体がスムーズに進行し、保守性や拡張性にも優れたシステムが構築できます。

いずれかのサービスについてアドバイスが必要な場合は、お問い合わせください。
  • オフショア開発
  • エンジニア人材派遣
  • ラボ開発
  • ソフトウェアテスト
※以下通り弊社の連絡先
電話番号: (+84)2462 900 388
メール: contact@hachinet.com
お電話でのご相談/お申し込み等、お気軽にご連絡くださいませ。
無料見積もりはこちらから

Tags

ご質問がある場合、またはハチネットに協力する場合
こちらに情報を残してください。折り返しご連絡いたします。

 Message is sending ...

関連記事

 2025年12月24日

Springとは何か?なぜSpringは現代Java開発の“背骨”になったのか

Springは「便利だから使われている」のではありません。Springが広く使われるようになった理由は、Javaという言語が大規模化・長期運用・人の入れ替わりという現実に直面したとき、従来の設計では耐えられなくなったからです。本記事では、機能紹介や用語解説に終始せず、SpringがJavaの構造そのものをどう変えたのかを、設計・保守・時間軸という観点から具体的に掘り下げます。

 2025年12月22日

Webサイトは「どこで・どう処理され・何を返す」のか?構造から理解するWeb開発の本質

Webサイトはクリックすれば反応し、情報が表示されるものとして認識されていますが、その動きは自動的に起きているわけではありません。web 開発とは、ユーザーの操作を起点に、どこで処理を行い、どの情報を使い、どの形式で返すかを設計する仕事です。本記事では、サーバー・ドメイン・データベースを軸に、Webが成立する構造を処理レベルで分解し、仕組みそのものを理解できるよう掘り下げていきます。

 2025年12月20日

HTML・CSS・JavaScriptから読み解くWeb開発の基本構造と考え方

Web開発という言葉は広く使われていますが、「結局Web開発とは何をしているのか」を自分の言葉で説明できる人は意外と多くありません。HTML・CSS・JavaScriptを学んでいても、それぞれがどのような思想で分かれており、なぜこの三つがWebの基盤として使われ続けているのかまで理解できていないケースも少なくないのが実情です。本記事では、Web開発を単なる技術の集合としてではなく、「Webが成り立つ構造そのもの」として捉え直し、HTML・CSS・JavaScriptの役割を設計思想の観点から整理していきます。

 2025年12月15日

開発とは何か?Web開発プロセス完全ガイド|企画・設計から運用改善までをわかりやすく解説

インターネットがビジネスや日常生活の基盤となった現在、「開発とは何か」「Web開発はどのような流れで進むのか」を正しく理解することは非常に重要です。しかし、企画や設計、実装といった工程が断片的に語られることは多く、全体像を体系的に把握できていない方も少なくありません。本記事では、ITに詳しくない方でも理解できるように、開発の基本的な考え方からWeb開発プロセスの全体像、そして公開後の運用・改善までを一連の流れとしてわかりやすく解説します。

 2025年12月12日

モダンWeb開発とは?React・Next.js・Node.jsで学ぶ現場基準の完全入門ガイド

Web開発は、単なるWebサイト制作から、ユーザー体験・高速化・柔軟な拡張性を兼ね備えたアプリケーション構築へと大きく進化してきました。特にReact、Next.js、Node.jsは、現代の課題である複雑なUI管理、SEO最適化、リアルタイム性、開発効率と運用性の両立といったニーズに応えるために生まれ、世界中のスタンダードとして広く採用されています。本記事ではこれらの技術がどのような背景で必要とされ、どのように連携し、なぜ今これらを学ぶことがエンジニアとしての確かな基盤になるのかを、実務の視点から丁寧かつ体系的に解説します。

 2025年12月11日

Web開発とは何か:表と裏の技術が生み出す価値と、バックエンドが担う本質的な役割を深く探る

Web開発とは、単にWebサイトを作る作業ではなく、ユーザーが求める価値をオンライン上で安定して提供するための総合的な技術領域です。画面のデザインや操作性を形づくるフロントエンドと、裏側でデータ処理・認証・ロジックを実行するバックエンドが密接に連携することで、私たちは日常的に快適なWebサービスを利用できています。とくにバックエンド開発は、ユーザーが意識しないほど自然に動作する高速性と安全性を実現し、サービスそのものの信頼性を支える“見えない重要な基盤”として欠かせない役割を担っています。

 2025年12月09日

Web開発とは何か:フロントエンドが築く“体験の質”と、現代Webを支える技術進化の核心

Web開発とは、単にページを作る作業ではなく、ユーザーが目的を達成するまでの体験全体を設計する領域だ。その中でもフロントエンド開発は、画面の見やすさや操作のしやすさ、反応速度といった“体験の質”を直接左右する重要な技術であり、現代のWebを支える中心的な存在となっている。本記事では、その本質と役割を簡潔に解説する。

 2025年12月08日

Web開発とは?初心者でも5分で本質を理解できるシンプルかつ本格的な入門ガイド

Web開発という言葉を聞くと、専門的で複雑な世界を想像する人も多いかもしれません。しかし本質をつかめば、その仕組みは驚くほどシンプルです。私たちが日常的に利用している予約サイトやオンラインショップ、ニュースサイトなどは、すべてWeb開発によって作られています。画面に表示される部分を形にする技術と、裏側でデータを処理する仕組み、この二つが連動することで一つのWebサービスが成立します。このガイドでは、初心者でも短時間で全体像が理解できるよう、余計な専門用語を避け、Web開発の役割や構造を自然にイメージできるように解説していきます。

 2025年12月04日

Visual Basicアプリを高速化する12の専門テクニック

Visual Basicアプリのパフォーマンス改善は、単にコードを修正するだけでは不十分です。VB6、VBA、VB.NETいずれでも、変数型の最適化、ループや条件分岐の効率化、オブジェクト生成の抑制、メモリ管理、データアクセス最適化など、設計段階から総合的に考慮することが重要です。特に大量データ処理やOffice連携アプリでは、処理の順序やAPI呼び出し方法、外部ライブラリの利用方法によって応答速度が大きく変わります。プロファイリングツールでボトルネックを特定し、優先度の高い箇所から改善するアプローチが、実務での高速化成功の鍵となります。

 2025年12月04日

Visual Basicの全貌:VB6、VBA、VB.NETの違いと選び方を徹底解説

Microsoft Visual Basicは、VB6、VBA、VB.NETの三種類が存在し、それぞれ用途や開発環境が異なります。VB6はデスクトップアプリ開発に適した従来型のVisual Basicで、GUI構築が容易で学習コストも低い一方、最新OSやセキュリティへの対応が限定的です。VBAはExcelやAccessなどのOffice製品に組み込まれたマクロ言語で、業務自動化や繰り返し作業の効率化に強みを持ち、一般社員でも活用可能です。VB.NETはVB6の後継で、.NETフレームワーク上で動作し、オブジェクト指向に対応した拡張性の高いアプリケーション開発が可能で、現代のデスクトップ、Web、クラウドアプリに適しています。