設定書とは?仕様書との違いと現場での使い分けを徹底解説
システム開発やインフラ構築の現場において、「設定書」はプロジェクトの再現性・安定稼働・保守性を支える不可欠なドキュメントです。しかし「仕様書との違いがよく分からない」「どうやって書けばいいか曖昧」と感じる方も少なくありません。本記事では、設定書の定義や目的を明確にし、仕様書との違いや使い分け方、実際の記載例、現場で活用されるベストプラクティスまで、現役エンジニア視点でわかりやすく解説します。これからドキュメント整備に取り組む方、品質向上を図りたいプロジェクトマネージャー、開発・運用双方の立場を理解したい方にとって、実践的で有益な内容となっています。
2025年07月25日
システム開発やインフラ構築の現場において、「設定書」はプロジェクトの再現性・安定稼働・保守性を支える不可欠なドキュメントです。しかし「仕様書との違いがよく分からない」「どうやって書けばいいか曖昧」と感じる方も少なくありません。本記事では、設定書の定義や目的を明確にし、仕様書との違いや使い分け方、実際の記載例、現場で活用されるベストプラクティスまで、現役エンジニア視点でわかりやすく解説します。これからドキュメント整備に取り組む方、品質向上を図りたいプロジェクトマネージャー、開発・運用双方の立場を理解したい方にとって、実践的で有益な内容となっています。
1. 設定書とは?現場での役割と目的
設定書の定義
設定書とは、システムやサービスの動作に必要な各種設定項目・手順・バージョン情報を明記した技術文書です。具体的には次のような要素を含みます。
・サーバーOSのバージョン・パッチ
・ミドルウェアの構成(例:Tomcat、MySQL)
・アプリケーション設定ファイルの内容(YAML、properties、ini 等)
・セキュリティ設定(TLS証明書、ポート開放、FWルールなど)
なぜ設定書が必要なのか?

対象範囲と内容の例
・OS/ネットワーク構成(IP, DNS, ホスト名, SSH鍵)
・Webサーバー(Nginx, Apache)のポート・バーチャルホスト設定
・アプリケーションの設定ファイル(application.yml, .env)
・外部連携情報(APIキー、接続先ホスト、SSL証明書配置先)
2. 仕様書とは?その役割と違いを理解する
仕様書の定義
仕様書とは、開発するシステムの機能・動作条件・UI仕様・業務ルールなどをまとめた技術設計ドキュメントです。
・ユーザーの要求を満たすために「何を実現するか」を記述
・UI/UX、画面遷移、入力制御、バリデーションなどを記載
・ソフトウェア開発工程における「上流設計」の柱となる
両者の目的・視点の違い
・設定書:動かすための環境・構成
・仕様書:作るべきシステムの中身・振る舞い
非機能要件にも関わる
仕様書は「動作スピード」「同時接続数」「データ保持期間」などの非機能要件もカバーし、運用設計のベースにもなります。
3. 設定書と仕様書の違いを比較表で整理

4. 現場で使われる設定書の実例とフォーマット
OS/ネットワーク設定の例
ホスト名:web-server-01
OS:Ubuntu 22.04 LTS
固定IP:192.168.10.101
ポート開放:80, 443, 22
Firewall:ufw allow 80/tcp
タイムゾーン:Asia/Tokyo
アプリケーション設定の例(Spring Boot)

推奨フォーマット(Markdown/Excel)

5. 設定書作成のベストプラクティス
書くタイミング
環境構築直後がベスト。手順をその場でドキュメント化することで正確性が保てます。
管理方法
・Gitで設定ファイルと一緒に管理(Infrastructure as Code に近づける)
・Markdown+GitHub WikiやNotionでの社内ナレッジ共有が◎
定期レビュー・見直し
・プロジェクトごとのフォーマット統一
・設定の変更は、必ずレビューと履歴記録を残すこと
・CI/CDによる自動構成(Ansible、Terraform)と連動も推奨
6. よくある質問(FAQ)
Q1: 構成管理書と設定書は同じですか?
いいえ。構成管理書はバージョン・構成部品の全体管理で、設定書はその中の構成内容の実体を記録する位置づけです。
Q2: 誰が作るのが理想?
構築を担当するインフラエンジニアやSREが作成するのが望ましいですが、アプリ開発者が自分の環境設定を書くこともあります。
Q3: フォーマットは自由?
自由ですが、プロジェクトごとにテンプレート統一しておくとチーム内での共有・保守性が向上します。
設定書は、OSやミドルウェア、アプリケーションの設定内容を詳細に記録し、環境構築の正確性や障害対応力を高める要となる技術文書です。仕様書とは異なり、「どう動かすか」を明示する実践的な役割を担っており、インフラとアプリ開発の橋渡しとして非常に重要です。記録するだけでなく、更新しやすいフォーマット・運用ルールを整備することで、ドキュメントは組織の資産となります。設定書を「書かされるもの」ではなく、「守れるシステムを作る武器」として活用することが、品質向上とチーム力の強化に直結します。
- オフショア開発
- エンジニア人材派遣
- ラボ開発
- ソフトウェアテスト
電話番号: (+84)2462 900 388
メール: contact@hachinet.com
お電話でのご相談/お申し込み等、お気軽にご連絡くださいませ。
無料見積もりはこちらから
Tags
ご質問がある場合、またはハチネットに協力する場合
こちらに情報を残してください。折り返しご連絡いたします。
関連記事
Dartはなぜ「書かされている感」が強いのか──Flutter・Web・Serverに共通する設計拘束の正体
Web Dart 入門としてDartに触れた多くの人が、「書けるが、自分で設計している感じがしない」という感覚を持ちます。サンプル通りに書けば動く、しかし少し構造を変えた瞬間に全体が崩れる。この現象は学習者の理解不足ではなく、Dartという言語が設計段階で強い制約を内包していることに起因します。本記事では、Dartがどのようにコードの形を縛り、なぜその縛りがFlutter・Web・Serverすべてで同じ問題を引き起こすのかを、実装視点で掘り下げます。
Dartを学び始める前に理解しておくべき前提モデルと学習の限界点
「Dart 入門」という言葉は、Dartが初心者でも気軽に扱える言語であるかのような印象を与えますが、実際のDartは、現代的なアプリケーション開発で前提とされるプログラミングモデルを理解していることを前提に設計された言語です。文法自体は比較的素直であっても、状態管理、非同期処理、型による制約といった考え方を理解しないまま学習を進めると、「動くが理由が分からないコード」が増え、小さな変更で全体が破綻する段階に必ず到達します。本記事では、Dart学習で頻発するつまずきを起点に、学習前にどのレベルの理解が求められるのかを、曖昧な励ましや精神論を排して整理します。
Dartとは何か ― 言語仕様・ランタイム・制約条件から見る設計の実像
Dart 入門や Dartとは というキーワードで語られる内容の多くは、表層的な機能説明に留まっています。しかしDartは、流行に合わせて作られた軽量言語ではなく、明確な制約条件を起点に設計された結果として現在の形に落ち着いた言語です。本記事では、Dartを仕様・ランタイム・設計判断の連鎖として捉え、その必然性を整理します。
アプリプログラミングで問われるITリテラシーとは何か──複数の言語が生む思考の断層
ITリテラシーがあるかどうかは、プログラミング言語を知っているかでは決まりません。本質は、なぜアプリプログラミングが複数の言語に分かれているのかを、構造として理解しているかです。この記事では、言語ごとに異なる役割と思考モデルを明確にし、非エンジニアが判断を誤る理由を技術構造から説明します。
アプリプログラミングの深層から設計するアプリエンジニアのキャリア戦略|技術判断を持たない実装者が必ず行き詰まる理由
アプリプログラミングの経験年数が増えても、技術者としての評価が上がらないケースは珍しくありません。その多くは、アプリ開発を「作る仕事」として捉え続けていることに起因します。アプリエンジニアのキャリア戦略を考えるうえで重要なのは、実装スキルではなく、技術的な判断をどこまで担ってきたかです。本記事では、アプリプログラミングの深層にある設計・判断の観点から、キャリア形成の実態を整理します。
パフォーマンス改善が失敗するアプリプログラミングの構造的欠陥
アプリが重くなるとき、表に出るのはスクロールのカクつきや起動遅延だ。しかしユーザーが離脱する原因は、その「見えている遅さ」ではない。アプリプログラミングの内部で、処理順序・責務分離・実行単位が崩れ始めていることに、誰も気づいていない点にある。
リリース前に失敗は確定していた──アプリプログラミング現場で実際に破綻した5つの判断
アプリプログラミングの失敗は、実装が始まってから起きるものではありません。実際には、設計初期に下した数個の判断によって、後工程の選択肢が静かに消えていきます。本記事では、開発中は一見順調に見えたにもかかわらず、運用段階で破綻した事例をもとに、「どの判断が不可逆だったのか」を構造として整理します。
アプリプログラミングの技術選定を構造で考える:iOS・Android・Flutter・React Nativeと言語の違い
アプリプログラミングの技術選定は、フレームワーク名だけを見ても判断できません。その背後には必ず「どの言語で書き、どこで実行され、何に依存しているか」という構造があります。本記事では、iOS、Android、Flutter、React Nativeに加え、関連するプログラミング言語にも触れながら、技術同士のつながりを整理します。
生成AIはアプリプログラミングをどこまで変えたのか― Webアプリとモバイルアプリで異なるChatGPT・Copilotの実効性
生成AIがアプリ プログラミングに与えた影響は、Webとモバイルで同じではありません。「生成AIで開発が速くなった」という一言では片付けられない差が、実装工程・設計工程の随所に現れています。本記事では、アプリプログラミングを工程単位で分解した上で、ChatGPTやCopilotがWebアプリとモバイルアプリでどのように効き方を変えるのかを、現場エンジニアの視点で整理します。
AI時代のアプリプログラミング──日本向け開発現場でのSwiftとFlutterの使い分け
AIの進化によって、アプリプログラミングの実装速度は大きく向上しました。SwiftやDartのコード生成、UIサンプルの自動作成により、短期間で動作するアプリを作ること自体は難しくありません。しかし、日本向けのアプリ開発現場では、「どの言語で作るか」よりも、「どの条件でその言語を選ぶか」が、これまで以上に重要になっています。本記事では、AI時代のアプリプログラミングにおいて、SwiftとFlutterをどのような基準で使い分けているのかを、現場視点で整理します。
クラウド前提のJava開発でSpringが「設計標準」になった技術的必然
Springとは何かという問いは、もはや技術用語の定義ではなく、設計思想をどう捉えるかという話になっています。クラウド、コンテナ、CI/CDが前提となった現在、Javaで業務システムを構築する場合、Springは選択肢の一つというより、設計基準そのものとして扱われることが多くなりました。本記事では、その理由を機能ではなく構造の観点から掘り下げます。
