ゲームβテストの正解はどっち?非公開vs公開、ジャンル別に最適な選び方を徹底解説
ゲームのβテストを企画する際、「非公開β(クローズドβ)」にするか「公開β(オープンβ)」にするかは非常に重要な判断です。一見似ているようで、この2つの方式は目的や得られる結果が大きく異なり、ジャンルごとに最適解も変わります。本記事では、β方式の基本的な違いを整理したうえで、各ゲームジャンルにおいてどちらのテスト方式が適しているかをマトリクスで視覚化しながら詳しく解説していきます。開発者やマーケターが自信を持ってテスト設計できるよう、実例とともに現場目線でご紹介します。
2025年09月25日
ゲームのβテストを企画する際、「非公開β(クローズドβ)」にするか「公開β(オープンβ)」にするかは非常に重要な判断です。一見似ているようで、この2つの方式は目的や得られる結果が大きく異なり、ジャンルごとに最適解も変わります。本記事では、β方式の基本的な違いを整理したうえで、各ゲームジャンルにおいてどちらのテスト方式が適しているかをマトリクスで視覚化しながら詳しく解説していきます。開発者やマーケターが自信を持ってテスト設計できるよう、実例とともに現場目線でご紹介します。
1. 非公開βと公開βの違いとは?
非公開β(クローズドβ)は、参加人数や対象ユーザーを制限して行うテストフェーズです。開発中の機能やコンテンツを限定的に公開し、バグの洗い出しやバランス調整、システム負荷の事前検証などを目的とします。テスターの選定は抽選や事前応募などによって行われ、「質の高いフィードバック」を重視する形式といえます。
一方で、公開β(オープンβ)は誰でも参加可能な形で実施され、実質的には「リリース直前の最終テスト」として活用されることが多いです。参加者が多くなるためサーバー負荷の確認に適しており、プロモーションや口コミ効果も期待できますが、フィードバックの質はややばらつきがちです。
2. βテストの目的ごとの使い分け
βテストを成功させるためには、まず「テストの目的」を明確にすることが重要です。目的が曖昧なまま形式を選んでしまうと、得られる成果も不明瞭になってしまいます。
・技術的検証(バグ・パフォーマンス・互換性):非公開βが適している
・バランス調整・UI改善:非公開β〜小規模公開βが有効
・プロモーション・口コミ拡散:公開βが効果的
・事前登録・ユーザー獲得:公開βと連動させたキャンペーンが有効
3. ジャンル別で見るβ方式の向き不向き
ジャンルによって、適したテスト方式は変わります。以下は一般的な傾向です。
非公開βが向いているジャンル

・戦略性が高いゲーム(ストラテジー、RTS、カードバトル)
→ プレイヤー間のバランス調整が非常に重要。少数の熟練ユーザーからの意見が有効。
・PvP主体の対戦ゲーム(MOBA、対戦型アクションなど)
→ メタ形成やバグ悪用などを事前に把握しておく必要がある。
・ハードコア向けタイトル(ローグライク、シミュレーション系RPGなど)
→ 熱量の高いユーザーの意見を開発に反映しやすい。
公開βが向いているジャンル
・MMORPGやバトルロイヤル
→ 同時接続者数やサーバー負荷の確認が必須。SNSによる自然拡散も狙える。
・カジュアルゲーム(パズル、放置系、ミニゲーム)
→ 手軽に始められるため、間口の広いプロモーションに適している。
・モバイル向けRPG・アドベンチャー
→ プレイ体験の第一印象を試す目的で公開βが有効。
4. マトリクスで整理:β方式の最適解

※◎:非常に適している、○:条件次第で有効、△:優先度は低い
5. 成功と失敗から学ぶ活用事例
成功事例:PvPゲームの非公開β
ある国内PvPアクションゲームでは、非公開βを2回に分けて実施。少人数の熟練プレイヤーによる検証を通じて、操作性やスキルバランスを徹底的に調整。リリース時点でのバグ数が極端に少なく、高評価スタートに繋がった。
失敗事例:サーバー未準備の公開β
別のMMOでは、話題性を優先して公開βを早期実施。しかし、サーバーキャパシティを見誤ってログイン障害が多発。SNSでの批判が加熱し、正式リリース時のブランドイメージに悪影響を与えてしまった。
βテストはただのプレリリース体験ではなく、ユーザーとともにゲーム品質を高める共同作業です。非公開か公開かを選ぶ際には、開発フェーズ・ゲーム性・想定ユーザーを客観的に見極めたうえで、テストの「目的」と「活用方法」を明確に設定することが重要です。適切なβ方式を選択することが、結果としてプロダクトの成功率を大きく左右します。
- オフショア開発
- エンジニア人材派遣
- ラボ開発
- ソフトウェアテスト
電話番号: (+84)2462 900 388
メール: contact@hachinet.com
お電話でのご相談/お申し込み等、お気軽にご連絡くださいませ。
無料見積もりはこちらから
Tags
ご質問がある場合、またはハチネットに協力する場合
こちらに情報を残してください。折り返しご連絡いたします。
関連記事
2025年版:SaaS開発に強いフレームワーク&ライブラリ10選|失敗しない技術選定ガイド
SaaS開発では「長期運用に耐える技術選定」が成功を左右します。私は30年以上IT分野を見てきましたが、保守性不足やスケール不能など、技術選定の失敗がサービス成長を止める例を数多く見てきました。本記事では、2025年時点で信頼でき、SaaS特有の要件(マルチテナント・スケーラビリティ・運用性・UI/UX・課金基盤)に強いフレームワーク&ライブラリ10選を厳選し、SaaS立ち上げや既存サービスのSaaS化に役立つ“失敗しない選定のヒント”をまとめています。
ノーコードSaaS vs フルスクラッチ開発:企業に最適な開発モデルを選ぶための費用と自由度の徹底比較
企業がITシステムを導入・開発する際、ノーコードSaaSとフルスクラッチ開発のどちらを選択するかは重要な決断です。これらはそれぞれ異なるメリットとデメリットを持ち、企業の規模、予算、ニーズに応じて最適な選択が求められます。本記事では、両者の違い、選び方のポイントを比較し、企業に最適な開発モデルを見つけるための手助けをします。
SaaS開発を加速せよ!DevOpsとCI/CDパイプラインで実現する高速リリース戦略
今回は「SaaS(Software as a Service)サービスを支えるDevOps/CI/CDパイプライン」をテーマに、ブログ形式で分かりやすく解説します。専門用語も出てきますが、できるだけ実践的な視点で書きますので、マーケター、コンテンツ制作者、あるいはSaaSプロダクトを持つビジネスオーナーの方にも役立つ内容です。
SaaS向けユーザー認証を実装する:JWT と OAuth 2.0 をコード付きで徹底比較
SaaS(Software as a Service)モデルにおいて、ユーザー認証は単なるログイン機能にとどまらず、セキュリティ・スケーラビリティ・ユーザー体験のすべてに関わる中核要素です。API連携やマイクロサービス化が進む現在、認証方式の選定はサービス価値そのものを左右します。特に注目されるのが、軽量で高速な「JWT(JSON Web Token)」と、柔軟な権限管理が可能な「OAuth 2.0」です。本記事では、SaaS環境での実装を想定し、この2つの方式の違いと使い分けをコード例とともに解説します。
SaaSスケーラビリティ完全ガイド:負荷急増にも強い設計と運用のベストプラクティス
SaaSは、今やあらゆる業界のビジネスインフラを支える存在となりました。しかし、ユーザー数やデータ量が増えるにつれて、「システムが重くなる」「ピーク時に処理が追いつかない」といった課題に直面する企業も少なくありません。こうした課題を根本から解決するカギが、“スケーラビリティ設計”です。本記事では、長年にわたりITとクラウド技術の進化を見つめてきた筆者が、SaaSを安定的に成長させるための負荷対策と自動スケーリングのベストプラクティスを、わかりやすく解説します。
SaaS開発におけるスケーラビリティ設計:負荷対策と自動スケーリングのベストプラクティス
SaaS(Software as a Service)は、利用者数の増加やデータ量の拡大に応じて、柔軟にリソースを拡張できることが求められます。スケーラビリティの設計が不十分だと、アクセス集中によるパフォーマンス低下やシステム障害が発生し、顧客満足度を大きく損なう可能性があります。本記事では、SaaS開発の現場で実践されている負荷対策と自動スケーリングのベストプラクティスを整理します。
SaaS開発の基本アーキテクチャ:マルチテナント vs シングルテナントの選び方
SaaS(Software as a Service)は、ソフトウェアをクラウド上で提供し、ユーザーがインストールやメンテナンスを行うことなく利用できる形態として、多くの企業や開発者に選ばれています。そのSaaSを支える根幹がアーキテクチャ設計であり、特に「マルチテナント」と「シングルテナント」という2つの構成の違いが、コスト効率・セキュリティ・拡張性に大きな影響を与えます。この記事では、それぞれの特徴とメリット・デメリットを整理し、SaaS開発においてどちらの構成を選ぶべきかをわかりやすく解説します。
SaaS開発とは?オンプレミスとの違いと、今SaaSが選ばれる理由【初心者向け】
近年、ビジネスの現場では「SaaS(サース)」という言葉を耳にする機会が急増しています。業務システムを自社サーバーに構築する従来型の「オンプレミス」とは異なり、SaaSはインターネット経由で必要なソフトウェアを手軽に利用できるクラウド型サービスです。導入のしやすさやコストの低さ、常に最新の状態で使える利便性から、今や中小企業から大手企業まで幅広く導入が進んでいます。また、こうしたサービスを利用するだけでなく、自社で開発・提供する「SaaS開発」も注目されており、スタートアップやIT事業者にとって大きなビジネスチャンスとなっています。本記事では、SaaSとは何か、そのメリットやオンプレミスとの違い、そしてSaaS開発がなぜ今選ばれているのかを初心者向けにわかりやすく解説していきます。
【2025年最新版】アプリとWebの違いと今後の融合トレンドとは?
スマートフォンやパソコンを使う中で、私たちは日常的に「アプリ」や「Webサイト(Webアプリ)」に触れています。一見するとどちらも似たように感じられるかもしれませんが、技術的な仕組みやユーザー体験には明確な違いがあります。しかし、近年の技術進化により、その境界線は急速に曖昧になりつつあります。本記事では、アプリとWebの基本的な違いを整理しながら、2025年以降に加速すると予想される「融合」の流れ、そしてSuper AppやAI UIといった次世代のユーザー体験の展望について、わかりやすく解説します。
アプリとWebの違いを知らないと損?成功するチーム構成と必要スキルとは
アプリとWebのサービスは、私たちの日常に深く関わっていますが、実際の開発現場ではその構造や進め方、求められるスキル、チーム構成に大きな違いがあります。本記事では、「アプリとWebの違い」というテーマを中心に、それぞれの開発プロセスや必要な職種・スキル、チーム編成の変化についてわかりやすく解説します。これから開発を始める方、チーム構成を見直したい方にとって、実践的な視点を提供します。
アプリとWebアプリの違いを徹底比較!できること・できないことを技術視点で解説
現代のWeb技術の進化により、アプリとWebアプリの違いは「見た目」だけでは判断できないほどに接近しています。しかし、内部の仕組みや利用できる機能には明確な違いがあり、目的や要件に応じた適切な技術選定がますます重要になっています。本記事では、エンジニア視点から「アプリとWebアプリの技術的な違い」に焦点を当て、Webアプリで“できること”と“できないこと”を具体的に解説します。PWAなどの最新技術にも触れながら、Webアプリの可能性と限界を正しく理解する手助けとなる内容をお届けします。
