SQLとは何か?基礎知識から具体的な構成まで網羅的に解説
SQLはデータベース言語の一つで、データベースの定義や操作を行うことができます。 SQLはISO(国際標準化機構)で規格が標準化されており、一度学習すればほかのデータベースでもほぼ同じように操作可能です。 今回は、データベース言語であるSQLの基礎知識や言語の種類、特徴などについてご紹介します。
2020年10月13日
SQLはデータベース言語の一つで、データベースの定義や操作を行うことができます。 SQLはISO(国際標準化機構)で規格が標準化されており、一度学習すればほかのデータベースでもほぼ同じように操作可能です。 今回は、データベース言語であるSQLの基礎知識や言語の種類、特徴などについてご紹介します。
SQLはデータベース言語の一つで、データベースの定義や操作を行うことができます。
SQLはISO(国際標準化機構)で規格が標準化されており、一度学習すればほかのデータベースでもほぼ同じように操作可能です。
今回は、データベース言語であるSQLの基礎知識や言語の種類、特徴などについてご紹介します。
目次
SQLの基礎知識
SQLは、「シークェル」または「シーケル」と呼ばれています。SQLという固有名詞であり、国際標準としてのSQLは、何らかの略語ではないと定義されています。
1970年代、IBMが世界初のRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)である「System R」を開発しました。その操作を行う「SEQUEL(Structured English Query Language)」が、現在のSQLのベースとなっており、シークェルという読み方もここから来ています。その後、データベース言語は何度も改正されて「SQL」と改名されましたが、読み方はそのまま引き継がれています。
SQLはデータベース言語の中で、最も普及している言語の一つです。DBMS(データベース管理システム)上でデータやデータベースを制御するための言語であり、ユーザーやシステムからの命令を受けてRDB(リレーショナルデータベース)にクエリ(問い合わせ)を行い、結果を返します。返ってきた結果はモニターなどに表示されます。
SQLはデータベース言語としてISO(国際標準化機構)で規格化されています。そのため一つのデータベース用のSQLを覚えたら、そのほかのほとんどのRDBで同じように利用できます。SQLの使えるデータベースには、Oracle社のOracle Database、Microsoft社のMicrosoft SQL ServerやAccess、オープンソースのMySQLやPostgreSQLなどがあり、それぞれ異なるデータベース・エンジンを搭載していますが、どれもSQLで操作可能です。
これまではRDBMSごとにさまざまな規格を使っていましたが、SQLに改名されてからANSI(米国国家規格協会)やISOで標準化されました。SQLの標準規格は現在も数年おきに改訂されています。
データベース言語とプログラミング言語
SQLはデータベース言語であり、データベースを管理するソフトウェアを操作・制御することが目的です。言語といっても、プログラミング言語ではないのでシステムを開発することはできません。データベース言語とプログラミング言語はどう違うのか、理解しておきましょう。
●データベース言語
データベースとは、集めたデータをDBMS(データを管理するプログラム)で整理し、操作できるようにしたものです。RDBはデータベースの中で多く使われているもので、データ同士の関係をテーブル(表形式)で表現し、テーブルとテーブルが連携してデータの構造を表現しています。データベースにはほかにも階層型やネットワーク型などがあります。
データベース言語はDBMSに求める処理を命令する制御言語で、宣言型言語(非手続き型言語)といいます。データベース言語はデータを管理して、ユーザーが指定した条件に合致するものを見つけ出すためのもので、それ以上の機能はありません。シンプルにできており、ほかの言語とは文法や仕様がまったく異なります。ユーザーやシステムの命令でデータベースにクエリを送り、返ってきた値をユーザーやシステムに返します。コンパイルは行わず、インタプリタ言語のように動作します。
●プログラミング言語
プログラミング言語は手続き型の言語で、プログラムの本体を作るときに使います。プログラムの行う処理手順を記述し、コンピュータに何をどう処理するのかを指示します。
プログラミング言語はデータベース言語よりも複雑で、COBOL、C言語、Javaなど、多くの種類があります。数千種類あるともいわれていて、環境やマシンによって使い分けられます。
SQLの種類
SQLは、大きく分けて3種類の言語から構成されています。データベースを制御したり操作したりする際に使い分けられ、すべて命令文で動詞と目的語を組み合わせた構文です。
●データ定義言語(Data Definition Language)
データ定義言語はDDLと略され、RDBMSで扱うオブジェクト(テーブルやインデックスなど)の構造や、オブジェクト同士の関係を定義する構文です。
<DDLの命令文>
CREATE:新しいデータベースやテーブルなどのオブジェクトを定義する
JOIN:テーブル同士を結合する
DROP:定義したオブジェクトを削除する
ALTER:定義したオブジェクトの内容を変更する
TRUNCATE:データをすべて削除する
●データ操作言語(Data Manipulation Language)
データ操作言語はDMLと略され、データベースを操作するための構文です。目的語やさまざまな条件を示すキーワードと組み合わせて使われ、多くのパターンがあります。目的語には「~以上」「~以下」などの条件をつけることもでき、SQL関数と呼ばれる関数を使用することもできます。
<DMLの命令文>
SELECT:データベースを検索する
INSERT:データを挿入する
DELETE:データを削除する
UPDATE:データを更新する
●データ制御言語(Data Control Language)
データ制御言語はDCLと略され、データへのアクセスを制御する構文です。トランザクションやシステムを管理したり、ユーザーのアクセス権を制御したりするために使われます。
<DMLの命令文>
GRANT:ユーザー権限を付与する
REVOKE:ユーザー権限を削除する
BEGIN:トランザクションを開始する
COMMIT:トランザクションを確定する
ROLLBACK:トランザクションを取り消す
SQLの特徴
現在の DBMS では、リレーショナル型を多く採用しています。そのため、SQLを理解することで、ほとんどのDBMSを利用することが可能です。
●一方的に命令する
SQLは、対話のように文をやりとりして命令を行います。プログラミング言語はソースコードに命令を順番に記述して実行しますが、SQLはシンプルな命令文を一方的にデータベースに送るだけです。基本的に1文で完結し、複雑な処理を行う場合は、返ってきた処理の結果に応じてまた命令を送るというようにデータベースと対話するように命令文をやりとりします。
●SQLのみではアプリを作成できない
SQLはデータベースを操作するための言語であり、アプリケーションを作成したり操作したりする機能はありません。アプリケーションやシステムを開発するときには、ほかのプログラムやプログラミング言語と組み合わせて使用します。
アプリケーションからデータベースを利用したい場合は、アプリケーションにSQLの命令文を記述します。RDBMSを操作して返ってきた値をアプリケーションで利用し、さらに処理を繰り返し行います。
●SQLでデータベースを操作する方法
SQLでデータベースを操作するための命令を送るには、2つの方法があります。
<対話型>
ユーザーがプログラムのコマンドラインなどでSQLのコマンドを打ち込み、直接操作する方法で、対話型と呼ばれています。この場合は、処理の結果が表示されるのを待って次の命令を送ります。
<埋め込み型>
Javaなどほかのプログラミング言語で記述したソースコードに直接SQL文を埋め込み、動的に操作する方法です。ほかのプログラムに埋め込むことで、SQLをシステムの一部として使用します。命令文をネスト構造(入れ子)にして、命令1の結果に応じて「~ならば命令2、そうでなければ命令3」などの処理を行うことで、最終的な結果を得ることができます。これをサブクエリといいます。
改めて見直されるSQLの重要性
コンピュータを使うときには、ほとんどの場合、何らかのデータベースへのアクセスが生じます。
近年はビッグデータの活用によるマーケティングが話題になっていますが、ビッグデータを処理するインターフェースとして、SQLが提供されていることが一般的です。
そのため、SQLは重要なデータベース言語として見直されています。
SQLの原型ができたのは40年以上前ですが、これからもデータベースやSQLに対する需要がなくなることは考えられず、むしろその存在感は増す一方でしょう。
「SQL」を自社サービスや課題解決のソリューションとして活用したいとご検討されている方はぜひ一度ご相談ください。
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